天使の瞳

「…音羽?」

「うん?」

「ごめんな?」

「え、どーしたん?」

「いや、なんとなく」

「何それ」


軽く笑ったあたしは思い出したかの様に続けて口を開いた。


「あ、そうや。タク…合コン行ったらいいやん」

「は?お前起きとったん?」

「ううん。その部分だけ聞こえたの」

「ふーん…。つか、面倒くさいから行かん」

「へー…女好きやのに」

「ええ女がおったらな。ほか興味ねーもん」

「なんか、タクが言ったら嫌味にしか聞こえへんわ」

「お前、妬(や)いてんのか?」


そう言ったタクの笑い声が聞こえる。


「そんな訳ないやん。タクに女おってもなーんも思わんもん」

「あっそ」


タクは冷たく言い放つ。

でもホントにタクに女が居ても何も感じないのは確かだ。

彼女いいな。…なんて思った事もないし。


けど、ふとした時にタクに意識がいってるのは自分でも分かんない。


友達だからだろうか。


…いや、友達じゃないな。

好きの意味ってなんだろう。




…分かんない。













< 45 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop