天使の瞳
「…音羽?」
暫くしてバッとタオルケットを捲られた瞬間、ヒヤっとクーラーの冷たい風が頬を掠めた。
「あ…」
「どーしてん?」
「…ううん」
タクの顔を見ると何だかホッとした。
上半身裸のタクは首にタオルを巻いて髪を拭く。
「あ、音羽。これも使ってええから」
タクはもう一枚のタオルケットをあたしの身体に被せた。
「ありがと」
「俺、こっちで寝るから」
タクはテーブルを一番端の壁までくっ付ける。
「あ、ごめん。タクここで寝たらいいやん。あたしそこで寝るから」
「いや、音羽寝てええよ」
そう言ったタクは電気を消して床で寝転んだ。
なんだかんだ言って時刻は12時を回ろうとしている。
「タク、ごめんな」
「おぅ」
タクが寝息を立てたのはホントに直ぐだった。
でもあたしは寝れない自分にイライラしてた。