片思い観測
大学の講座は2つだけ同じだった。
大学に入っても、やっぱり裕太は
女子から大人気だった。
いつもいろんな女子が
裕太のことを遠くから見ていた。
しゃべりかける子もいた。
そんな中、わたしは、
ひとつだけ講座が同じの
新太くんと、いつの間にか
仲良くなっていた。
新太くんは地元が関西の方で、
少しなまっていてハスキーボイスで
かっこいいひとつ歳下の男の子だった。
関西の学校で中退して、
勉強してバイトして東京に来たらしい。
「せんぱい!髪はねてますよ(笑)」
「え?!うそ!!?」
「う・そ♪」
「うわー、また騙された!」
これが毎日の新太くんの絡み方だった。
同じ学年なんだからタメ口で
いいよって言ってるのに、
相変わらず直さない。