年下の不良くん
第一章
ザーザーと昼から降り始めた雨
止む気配はなく、時間が経つにつれて激しくなっていく
そんな雨中、私はスーパーの袋片手に家路に着いていた
「この調子じゃ、明日も雨かな??」
暗い夜道に、私の声が静かに響く
近所の公園が近づいてきた
この公園は、家まで近道ができていつも通っている
だから今も、公園を通ろうと足を踏み入れた瞬間
「うっ…」
ベンチ方から呻き声がして、ビクッとなり固まる、私
何やらベンチには、黒い物体が横たわっていている
私は、ゆっくりゆっくりベンチに向かう
幸いにも、街灯の光がさしていて、性別を確認する事ができた
見た感じ、二十歳くらいの男性
そしてそれと同時に、彼が酷い傷を負っていることがわかった
「…ハァ…ハァ…」
息も荒くて、しんどそう…
雨に打たれて、熱出しちゃったんだ…
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