年下の不良くん
音のした方へ行くと、見覚えのある寝顔が見え足を止めた
何でこんなとこに、清水翔がいるの…??
そう、すやすやと気持ちよさそうに寝ているのは、清水翔だったのだ
動揺しながらも、さっきの音の犯人であろうスマホを、床から拾い上げる
コトっと静かにスマホを置いたのにも関わらず
「んー…武蔵(ムサシ)か…??」
彼を起こしてしまった
──そういえば、私は何でこんなにも彼を拒絶してしまっているのだろうか
なんとなく、彼とあまり関わりたくない、と直感的に思ってしまっている自分がいるからだろうか
…多分それは、彼と私とでは、世間での立ち位置が違うからかもしれない
そしてまた、こういう不良と全く関わった事がない為、接し方に困るからだろう
いろんな考えが集まって、私はあまり彼と関わる気を起こせないのだ
「って、全然武蔵じゃねぇし」
そう言って、目を擦りながら空笑いする
「起こしてしまって、すいません…
あの、ケータイが落ちてたから」
「あー、そかそか
さんきゅーな」
静かな図書室に、響き渡る彼の大きな欠伸