年下の不良くん
第二十三章
「わぁ、広い…」
通されたリビングは、すごく広い
こんな広い家に独りで住んでたの…??
私が住んでも、まだまだ充分な広さだ
「二階にね、りりかの部屋を設けたから、好きなように使ってね
あと、必要な事があったら遠慮なくすぐに言うこと」
「はい」
「それと、バイト先は辞めて貰うけどいい??」
「はい、そうですよね」
…もう、前みたいな生活は出来ない
そんなことは、父にこの話を持ちだされた時に覚悟していた事だ
「その代わりと言ってはなんだけど…
ここの家の家事を任せてもいいかな??
給金が欲しいようなら、与えるつもりだから」
「お給料は入りません
ここに住まわせて貰うのだから、家事をするのは当たり前です」
「うん、わかったよ
あ、後…」
はい、と手渡された小さな箱
開けると、小さなダイヤがはめ込まれている指輪だった
「それ、いちおう左手の薬指にはめておいて」
「……はい」
箱からそれを取り出して、つい昨日まで愛しい人との指輪がしてあった箇所にはめた
本当に、後には引き返せない…
この指輪を通じて、それを痛感する