年下の不良くん
「…えっと、あのー…」
この状況に着いていけないのだけど…
そんな私をお構いなく、ベッドに潜り込んで今か今かと私を待ちかまえる
「俺、一人で寝るの苦手なんだ
だから、一緒に寝て??」
独り暮らしをしてるのだから、今まで一人で寝れてたんじゃないの??
という有無を言わせない、この笑顔が恐ろしい…
拒否権が無くなった私は、仕方なく彼の隣に寝転んだ
すると、自然と頭の下に彼の腕が回ってきて腕枕
翔くんも同じ事をしてくれたな、と思い出された
…だけど、春樹と翔くんの腕枕は全然違う…
翔くんの場合は、こうしてくれたら安心感が得られた
……じゃあ、今は──??
もう、これをして貰える事は無いというのに、自分の感情は本当に勝手である
「おやすみ、りりか」
「おやすみなさい」
小さく微笑んでから、私は瞳を閉じた
──翔くんに会いたいけど、会いたくない
矛盾しているこの気持ちは、どうすれば良いのだろうか…
答えの出ない想いを抱いたまま、疲れていた私は夢の中へと入っていった