年下の不良くん
──ガチャ
「あ、社長、おはようございます」
春樹の後をちょこちょこと着いて行った部屋に入ると、中から男性が挨拶したきたが、春樹の背で全く見えない
「やぁ、おはよう
相変わらず早いね」
「お前が遅いだけだろう」
先ほどとは違う低い声だ
その声の主が、背に隠れている私を見つけて目をまん丸くした
「…お前、もしかして、例の商談の子か…??」
「??、あぁ、そうだよ??
りりか、これがこの間話した幼なじみの、爽(サヤ)だよ」
私の肩を抱いて、二人に紹介する
「彼女は岡本りりか
俺の婚約者だ」
ニコリと微笑む彼の隣で、私は深々と頭を下げた
…だって、急な紹介で緊張したんだもん…
「よろしくお願いします、岡本様」
春樹と同様、物腰が柔らかそうな彼は、笑うと童顔が更に際立つ顔立ちだ
「聞いてはいたが、高校生には見えないな」
口調はきつめだが、表情から嫌悪感は感じられないこの幼なじみは、昔からこんな口調なんだろう
「だろう??
大人びて見えるよね」
…それって、老け顔って事…??
ショックだ、それはそれで…
「今日は来ないつもりだったのに、何故来ている」
春樹は私をソファーに座らせると、自分は社長机の上に置いてある書類に目を通す