年下の不良くん
「まぁ、それくらいは構わないよ」
「りりか」
初めて爽さんから呼ばれたかと思うと、呼び捨てでびっくりした
この人は、あまり初対面だから気を使わなくては、ということをしないようだ
それは、私にしてみれば気を使わなくて楽だな
「いつ会うのか決まっているのか??」
「はい、明日あたりに会う約束をしています」
「じゃあ、明日の夕方迎えに行く」
そそくさと段取りを決めていき、スケジュール帳に書き込む、爽さん
「そんなことしなくても、午後から俺と一緒に出勤するから」
それを聞くと返事をするわけでもなく、爽さんは部屋を後にした
そして、その二人っきりの部屋に、私の喫驚の声が鳴り響いた
「ちょっ、春樹!!
私、そんな事聞いてないよ!?」
今、初めて聞いたんだけど!!
「良いだろう??
俺の喋り相手になってよ
ねっ??」
有無を言わせないこの眼差し、どうか心の底から治して欲しいと願う
これには、もう弱いというのに…
結局、私の明日の予定は、“春樹と一緒に出勤”となった
──この社長は、なんとも強引である