年下の不良くん
第二十九章
──彼の所に来て、一週間と1日が経とうとしていた
私は朝からキッチンでちょこまかと、二人分のお弁当と朝食を作った
起きてきた春樹は既にスーツを着ていて、それがまた似合っている
「おはよう
いったい、りりかは何時に起きたの??
朝からこんなにいろいろして」
スーツは着こなしているが、まだ髪はボサボサの春樹が、欠伸を一つこぼした
「え、何時だろ??
でも、そんな時間経ってないよ
お弁当のおかずとかは、昨日の内に作って置いたものを詰めるだけだから」
はい、と包み終えたお弁当を彼に渡す
「ありがとう
爽がね、りりかの作った弁当を毎回恨めしそうに見てくるんだ
もう、笑けちゃって仕方ないよ」
「ふふっ、それなら爽さんの分も作ろうか??」
「駄目駄目!!
あんな奴に、こんな美味い弁当半分こ、とか有り得ない!!
りりかの弁当は俺のもんだから!!」
口を尖らせて訴える様子は、まるで幼稚園児みたいで笑けてしまう
だって、大手企業経営者が、こんな素人の弁
一つにムキになってるんだもん
おかしいし、可愛らしいよ