年下の不良くん
学校に近づくにつれて、同じ制服を着た学生が多くなり、私は無意識の間に、翔くんを探していた
「何やってんだろ…」
小さい声で自分を叱り、ブンブンと左右にふ振る
しっかりしなくちゃ…!!
「──わっ!?ちょっ…!!」
だが校門を潜ろうとしたとき、右腕を物凄い力で掴まれて、そのまま学校から引きはがされた
前方で腕を引きながら、早歩きで歩くその人の背中から伝わるのは“怒り”…
──わかってる…
だけど、決心してすぐに現れるのは予想外で、既にもう少し揺れかかっていたりする
一週間もの間、気持ちを整理する時間が合ったというのに、何たる様だ…
学校から少し離れた所まで連れてこられたかと思うと、強く抱き締められた
私が恋焦がれていたその人は、私の耳元で震える声で言った
「──りりか…会いたかった…」
久しぶりの彼の姿、体温、匂い、声
彼の全ての要素が、私をグラグラさせるのだ
今すぐにでも、この大きな背中に腕を回したい
ついこの間まで、それが可能だっというのに──…
グッと拳を握り、彼の腕から離れる
「やめて、言ったでしょう??」
冷たく、こんな私の事を嫌いになってくれるように、冷めたように言い放つのだ
「二度もあんな手にはまるかよ」
ペイッと投げ捨てられる、一枚の紙