年下の不良くん
夕飯を食べ終え風呂にも入った私は、学校から出ていた課題をしようと自室に入った
春樹はというと、持ち帰った仕事の処理に書斎へ
課題が後少しで出来上がろうとした時、ケータイの着信音が響き渡る
ディスプレイには、“優美”の文字だ
「もしもし、どうしたの??」
『ん??
いや、ちょっとりりかの事気になっちゃってさ』
と、明るく答えるが、内心はかなり今日の出来事が心配で、電話を掛けてきてくれているのがバレバレ
どれだけ一緒にいると思ってるの、と頬が自然と緩んだ
「大丈夫だよ」
そう言ったけど、大丈夫かなんて正直、自分でもわからない…
けど、乗り越えなければいけないこの壁なのだから、強がりくらいさせてほしい
『こら、嘘付くな~
…無理してるんでしょ』
図星を付かれて、苦笑いをしてしまったのを
電話の向こうの彼女にも伝わってしまったのだろうか
『無理もいいかもけど、し過ぎたら駄目だからね
泣きたいときは泣きなよ』
優しい言葉に涙腺が緩んでしまって、鼻をズビッと啜った
「…優美」
『なぁに??』
「ありがとう、ね
泣きたいときは、無理しない…」
何でもわかる親友に、私の嘘なんて全てお見通しって訳で…
この子相手に、適うはずもない
『一人で泣くのは禁止だよ』