年下の不良くん
第三十二章
──あれから一週間後…
移動教室があり、いつものように優美と向かっている
「これ頑張ったらお昼だし、早く終わらないかな~」
「ホントだね
待ち遠しすぎる」
二人でそんな会話をしていると、たまたま中庭を見た私は、絶句して立ち止まってしまった
視界に入るのは、ただ一つで
立ち止まった私に気づいた優美が、私の視線を追って彼女もまた、目を見開き呟いた
「何…あれ…」
二人が見たものは、ベンチに座っている翔くんと知らない女生徒が、腕を絡めて座っていた
そうなるだろうと、予想はしていたのだけれど、いざ、見てしまうと胸が張り裂けるように痛い…
ギュッと自分の胸元を掴む
今すぐにでも、あの二人の仲を引き離したい衝動にかられる
だけど、彼を突き放し、傷つけたのは紛れもなく私なわけで…
矛盾しすぎている、私の気持ち
それを振り払うかのように、頭をブンブンと強く振り、歩き出した
慌ててその後を追ってくる優美の心情は、複雑で何も言えないようだった