年下の不良くん
そのまま、ただぼーっと放心状態で授業を受け、先生の声は、全く耳に入ってこなかった
「りりか…」
優美に肩を叩かれるまで、授業が終わったことに気づかなかった
「あ、ごめん!!
いつの間にか終わっちゃってたね!!」
無理矢理、頬の筋肉を動かして、歩き出す
「…りりか、無理に笑わなくていいんだよ…??」
私よりも優美が、とても悲しそうな表情をするから、何だか逆だなと笑けた
「ふふっ、どうして優美がそんな顔するの??
私は、大丈夫だよ??」
酷く傷ついたけれど、その倍、翔くんは傷つかされた
そう思うと、私がめそめそするのは違う気がする
「でもっ…!!」
何か反論を言いたかったのだろうが、私はそれを阻止し、彼女は苦虫を噛みしめたような顔
した
「強がらせて
私、ああなるだろうって予想してたから」
だから、痛々しいかもしれないけれど、気が済むまで強がらせて欲しいのだ
「大丈夫、無理はしないようにするから」
ニコッと安心させようと微笑むと、小さく優美も笑ってくれてた
それから二人して、この話をしようしなかった
いや、正しくはする事が出来なかったのだ