年下の不良くん
「──いただきます」
「いただきます」
あれから二人して一言も喋らず、夕飯が出来た
私のどこを気に入って、“付き合う”となったのか
会ってまだ片手で数えるくらいで、相手の事をまだ知らないと言うのに…
けど多分、いらなくなった捨てられるんだろうな
「やべー、超うめぇ」
目を光らせて、パクパクと勢いよく箸を動かす
「…そんなに喜んでもらえたの久しぶりだよ」
常に独りでご飯を食べている私にとっては、かなり嬉しい反応だった
「ははっ、大袈裟すぎだろ」
クシャッと顔を崩して笑う彼の笑顔に鼓動が速くなる
「そっ、そんな事ないですよ…!?」
動揺してどもってしまった
私ってば、噛みすぎ…!!
「んな、勢いよく返事しなくても
やっぱアンタおもしれぇ」
そう言って、また小さく笑う
この人って意外によく笑う人なんだ