年下の不良くん
数分してから降りてくると、明らかに自分の為のコーヒーが置いてあるのを見て、驚いた顔を見せた
「あ、どうぞ
暖まってから戻ってください」
「…わざわざ、すまない」
「いえ、もしよかったらカイロもありますけど」
「いや、それは大丈夫だ
ありがとう」
「いえ」
いつも駅まで送って貰っている、私なりのささやかな、お礼
「爽さん、春樹はちゃんと夕飯は食べましたか??」
彼のことだから、ちゃんとした夕飯をまだ食べていないに違いない
「いや、まだ食べていない」
「ふふっ、そうだろうと思いました
まだ時間は大丈夫ですか??」
「あぁ、問題ない」
「じゃあ、今から簡単な物作るんで、二人で食べてくださいね」
冷蔵庫から食材を取り、テキパキと作っていく
その様子を爽さんがまじまじと見るものだから、緊張してしまった
「俺もそこそこ料理はするが、ここまで速くは作れないな」
そう言って、タッパーに詰めていく夕飯を見つめる
「そんな事ないですよ
…すいません、お手数ですがお願いします」
紙袋にお弁当を入れて、爽さんに渡す