年下の不良くん
「りりかのそうゆう“役に立ちたい”って気持ちは良いことだけど、無理して引き受ける事はないんだからね」
「うん、ありがとう」
いつも私を心配してくれる優美に、心から感謝する
「にしても…珍しいよね」
お弁当を食べ終わった優美が、ぼそりと片付けながら言った
「何が??」
「いや、ね
清水翔って、そりゃあ遊ぶ為の女はよくいるんだけど、何でか彼女ってのは作らないのよ」
「そうなの??」
何か理由でもあるのだろうか??
「うん
マジで告ってくる子は、必ず振るし」
「嘘…その子可哀想…」
「でしょ??
だから、何か“清水翔には告らない”って鉄の掟なんかがあるらしいよ」
何それ、と二人して笑いあった
「まぁ、無理せずに、何かあったら言ってね
力になるから」
「うん
ありがとう、優美」
少しして予鈴のチャイムが鳴り、次の時間割が移動教室だったので移動する
その時、遠くで友達とじゃれあう清水くんを見て、さっきの話が頭によぎった