年下の不良くん

「りりかのそうゆう“役に立ちたい”って気持ちは良いことだけど、無理して引き受ける事はないんだからね」

「うん、ありがとう」

いつも私を心配してくれる優美に、心から感謝する

「にしても…珍しいよね」

お弁当を食べ終わった優美が、ぼそりと片付けながら言った

「何が??」

「いや、ね
清水翔って、そりゃあ遊ぶ為の女はよくいるんだけど、何でか彼女ってのは作らないのよ」

「そうなの??」

何か理由でもあるのだろうか??

「うん
マジで告ってくる子は、必ず振るし」

「嘘…その子可哀想…」

「でしょ??
だから、何か“清水翔には告らない”って鉄の掟なんかがあるらしいよ」

何それ、と二人して笑いあった

「まぁ、無理せずに、何かあったら言ってね
力になるから」

「うん
ありがとう、優美」

少しして予鈴のチャイムが鳴り、次の時間割が移動教室だったので移動する

その時、遠くで友達とじゃれあう清水くんを見て、さっきの話が頭によぎった

< 24 / 408 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop