年下の不良くん
第三十七章
────春休みに入った
寒かった季節は少しずつ終わろうとしている
ここ最近は特に何の変化もなく、ただ穏やかな日を過ごしていたのだが、春樹が持ち帰った話で、それが一変
明日、何処かの大手企業の創立記念パーティーが開催されるらしいのだが、春樹はそれに私も連れていくというのだ
どうにも、納得のいかない話である
大人の世界に、まだ子供の私が行くと、多少それなりに浮くだろうし、何せ私は何処かの社長令嬢でもないので、そういったパーティーのしくみの教養もない
その旨を、春樹に先程から伝えているのだが、彼は一向に、私の話を聞こうとせず、結果的に何時もみたく丸め込まれる
「そんな堅苦しいものでもないから、安心してよ
俺も傍から離れないから」
「…………ホンとに離れない…??」
「あぁ、本当に離れない
一人にさせないから、心配いはないよ
爽も連れていかせるから大丈夫だ」
そう言って微笑んだ彼の言葉を、私は半信半疑であったが信用した
しかし、それがいけなかったのだ──