年下の不良くん
第三十八章
──パーティーから数日経った、ある日
私は、晃さんと連絡を取り合い、彼の経営するお店に行くことになった
久しぶりの晃さんのお店は、私が翔くんと付き合っていた頃と、何ら変わりはない
父は本当に約束を守ってくれていると、ほっと胸を撫で下ろし安心する
──カランカラン
ベルが付いている扉を開けると、“いらっしゃいませ”と晃さんの明るい声が響く
店内を見渡し改めて、翔くんがここでもう働いていない事を実感する
「こんにちは、りりかちゃん」
「こんにちは、ここに来るのが久しぶりすぎて、ドキドキしちゃいました」
「クリスマス以来だからね~
どう、体調は変わり無い??」
カウンターに座ると、手慣れた手つきで晃さんが出してくれた水を一口、口に含む
「はい、とっても元気です」
「それなら良かった
ほら、最近寒いから、従業員の一人が風邪引いちゃって」
最近の天候が本当に温度差が激しすぎで、風邪を引いてしまってもおかしくないくらいだ
「大変ですね…」
「やっぱり、病気には敵わないよね
…あ、そうだ
この間会ったときに行ってた新商品、完成したんだ」
いそいそと裏に入って行った晃さんが、出てきた時に手にしていたケーキを私の目の前に置く