年下の不良くん
「だろ、優美
可愛いっしょ♪」
清水くんの後ろからにょきっと、出てきた茶髪の男子
「あ、これね、あたしの幼なじみで武蔵
多分、会ったことあるよ」
「ちわッス」
ぺこりと頭を下げる私は、目をぱちくりする
「もしかして…あの武蔵くん??」
身体は大きく変わったが、顔のパーツや雰囲気は変わらない
小学生の頃、優美の家で遊んだ時に数回顔を合わせた程度だか覚えてる
「はい、ひさしぶりッスね」
「うん、久しぶりだね
ここ受験してたんだ」
そりゃ、髪の毛が変わってたから気づかない訳だ
「はい」
ニコニコと微笑む二人を、優美は申し訳なさそうに
「じゃあ、バイト急ごうか」
すっかり忘れていたバイト先に向かう
「メール、返信無かったので、怒られましたか…??」
さっきから一言も話さない、彼
本気で、怒ってる、ぽい…
「…敬語やめろ
何か…」
「“何か”??」
「…嫌」
「やめたら、怒りませんか…??」
私と目を合わさない彼に、びくびくする
もしかして、嫌われた…??