年下の不良くん
「怒ってねぇよ
…ただ、武蔵と仲良くしてんのが、気に食わなかっただけ」
そう言うと、私の右手を握りしめた
私との仮で付き合ってるフリしなのに、この言動が本気に感じてしまう
“もしかすると、彼は私が事──”って
そんなはず、ないのにね…
けど、そう思うと心が苦しく締め付ける
その意味なんて、わかってる…
でも、この気持ちを言った所で、彼が私に振り向く可能性は──??
「…わかった
敬語、やめるね」
「ん」
そう言って、また沈黙
彼と居るときは沈黙の時が多い
前で仲良く話しながら歩く二人が、羨ましく思えた
「──清水くん、じゃあね」
「えぇ!?俺には??」
「武蔵は帰ったら家に居るじゃん」
「そうだけど…」
しょぼんとする武蔵くんは、昔とホントに変わってないくて笑えた
「ははっ、二人ともありがとう」
二人に手を振って別れた