年下の不良くん

「怒ってねぇよ
…ただ、武蔵と仲良くしてんのが、気に食わなかっただけ」

そう言うと、私の右手を握りしめた

私との仮で付き合ってるフリしなのに、この言動が本気に感じてしまう

“もしかすると、彼は私が事──”って

そんなはず、ないのにね…

けど、そう思うと心が苦しく締め付ける

その意味なんて、わかってる…

でも、この気持ちを言った所で、彼が私に振り向く可能性は──??

「…わかった
敬語、やめるね」

「ん」

そう言って、また沈黙

彼と居るときは沈黙の時が多い

前で仲良く話しながら歩く二人が、羨ましく思えた

「──清水くん、じゃあね」

「えぇ!?俺には??」

「武蔵は帰ったら家に居るじゃん」

「そうだけど…」

しょぼんとする武蔵くんは、昔とホントに変わってないくて笑えた

「ははっ、二人ともありがとう」

二人に手を振って別れた





< 27 / 408 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop