年下の不良くん
急がしかったバイトが終わり、いつもの曲がり角で優美と別れた
今日の夕飯は何にしようか、と考えていたら、前から見覚えのある人物が
相手も私に気づいたみたいで、手を振ってきた
「岡本!!」
「田口くん、久しぶりだね」
田口くんは、中学の時に仲良くしてた友達
連絡はたまに取り合うが、久方ぶりの友達に私は心が弾んだ
「バイトの帰りか??」
「うん
田口くんは、部活の帰り??」
「おぉ
岡本が帰りなら、優美も帰ってんのか
今日、一緒だって嬉しそうに言ってたからさ」
流石、よく知ってると感心
だって、田口くんは、優美の双子の兄だからだ
彼は、県ではサッカーの強豪校である、鷲塚私立から推薦で入学
今では、強豪校でありながら、レギュラーになるくらい上手い
「ふふっ、そっか
あ、じゃあ、またね」
手を振り帰ろうとする私に、田口くんは
「家まで送ろうか??
流石に、女ひとりで夜道は危ねぇよ」
部活で疲れているのにも関わらず、優しい言葉を掛けてくれた
私はそれを丁寧に断り、ひとりで家に帰った
夕飯を食べ終え、お風呂に入り、1日の幕を閉じた