年下の不良くん
第四十四章
熱のせいで学校を2日も休んだ私が久々に学校に行くと、すぐさま優美が私の席にやってきた
「りりか、大丈夫??」
「うん、もう大丈夫だよ
ありがとう」
「あ、うん…
あのね…けど本当に、りりかがお礼を言うべきなのは、清水くんなのよ」
「えっ…??」
「りりかが倒れた時に、保健室まで運んでくれたのは清水くんなの…」
そうか、だからあの意識が朦朧とする中、懐かしく居心地が良いな、と感じたのか
確かあの日、私が倒れる前、移動教室だった
たまたま、校舎が一緒の為、武蔵くんと廊下で会ったのだが、翔くんは私の横を通り過ぎていったのだが…
そう優美に言うと、彼女は優しく切なそうに微笑んだ
「通りすぎた直後に倒れたから、戻ってきてくれて、ね…」
「そっか…
放課後、お礼言いに行きたいから、着いてきてもらってもいい??」
流石に、保健室まで運んでもらっておいて、お礼も無しと言うわけにもいかないので、勇気を振り絞って行くことを決めた
「うん、もっちろん♪」
私の気持ちを察してくれたのか、優美は満面の笑みを私に見せた
別れた日から、一度も話していない
どんな風に会話をすればいいのか、今から考えておかないと…
少しずつ、少しずつだけれど、前に進みたい