年下の不良くん
第四十五章
───……
数週間が経ち、あれからは特に大きな出来事が起きないまま、私の時間は早く進んだ
月末になると、学校では学年が変わって初めてのテストがあり、慌ただしく日が過ぎて、もう梅雨を入ろうとしている時期になる
湿った空気に加えて、暑くなりはじめた気温
なので、家で静かに過ごそうと思っていたのだが、昼過ぎから出勤する春樹に強制連行されて、彼の経営するビルに泣く泣くきていた
いつものように、受付嬢からの熱烈な挨拶がやってくるだろうと待ち構えていたのだが、今日はそれが無い
どうしたんだろう、と二人で顔を合わせてから、視線を受付に向けると、ショートカットで白のTシャツと花柄のパンツを、ラフに着こなせた女の人が
「あのー、だから、細川健(タケル)に連絡してほしいって言ってるんですよー、お姉さん」
広いエントランスに響く、あまりにも聞きなれた人の声
私はくるりと、その人の顔を見ようと、受付嬢の後ろに回り確認すると…
「えっ!?結花?!」
思いもよらない人物がここにいて、私の目は限界まで見開くと、彼女はにこにこと手を振る