年下の不良くん

「ごめんごめん結花っ…!!
ケータイに連絡してくれればよかったのに」


結花のお兄さんは、ふぅと肩で息をついたかと思うと、私と隣にいる春樹を見た途端に、ピシッと姿勢を正せた


「しゃ、社長っ…!!
おはようございますっ」


「おはよう
結花ちゃんの兄だったのか」


「はい、コイツが何かご迷惑をかけたみたいで、すいませんっ…!!」


「ちょっと、私は何も迷惑なんてかけてないけどー」


「嘘付けっ、いっつも人様に迷惑かけてるくせにっ」


兄妹喧嘩が始まりそうだったので、私が話を変える


「お久し振りです、細川さん」


この間、春樹とパスタ向かう途中に会社の廊下で、沢山のファイルを落とした男性が結花のお兄さん


彼女からお兄さんがいると聞いたことはあったが、長い付き合いなのに一度も見たことがなかった


まさかこの会社で出会うとは…世間は意外にも狭いものだと感心してしまう




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