年下の不良くん

「嘘だぁー
味見したけど、何ともなかったもん
苦かっただけだもん!!」


「それはお前がコーヒーを飲めないからだろうがっ
おい、俺が教えてやるからその通りに作ってみろ」


結花は鉄の仮面というが、今の爽さんの顔は無表情ではなく、怒っているときの顔に変化している


「はーい、お手柔らかにお願いしまーす」


本当に二人でコーヒーメーカーの前に立ち、コーヒー講座を始めたので、春樹と二人で腹を抱えて笑ってしまった


「ねぇ、結花って料理だめだったっけ??」


毎年、バレンタインデーのチョコは誰よりも美味しい


「お菓子作りは得意なんだけど、料理はちょっとねー」


「コーヒーメーカーで作るだけのコーヒーは、菓子作りでも料理でも何でもないが」


「もー、鉄の仮面さん小姑みたいで五月蝿い
いろいろとあるんだってばー
本当、しゃちょーさんといい、鉄の仮面さんといい、女心わかってなぁい」


「おい、誰が小姑だ
無駄話はいいから、さっさと手を動かせ」


二人のやりとりを微笑ましく眺めていると、コーヒーが出来たみたいで、爽さんが出来立てのそれを飲むと顔をしかめた


「………おい、何故俺がいちから教えてやったのに、こんな不味いものが出来上がるのだ
お前はあれか、何でも不味くさせる職人か何かか??」


「うわ、ひどーい
私そんな変な職人でも何でもないしー
多分、鉄の仮面さんの味覚が可笑しいんだってばー」


「俺は普通だ」


何を二人して言っているのやら、と春樹と私は呆れた

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