年下の不良くん
第四十六章
この生活が変わらないと、春樹と婚約するように父に言われたときからずっと思っていた
私はこのまま、父が言った通りに、春樹と結婚するのだろうと感じていたし、前の生活に戻ることは出来るはずもないと、諦めていた
そして、ここ最近の春樹の様子が、見るからにおかしかった
何かあったのかと尋ねてみても、いつもの優しい笑顔で誤魔化されて、それ以上聞いてくるのを拒まれる
そんな日々が続いた頃、いつもより早くに春樹が帰ってきたので、夕飯の支度を止めて急いで玄関に向かう
「ただいま~」
「おかえりなさい
お疲れさまです
今日は早かったんだね」
「…まぁ、ね
………りりか、少し話がある」
ソファーに腰をかけた春樹は、キッチンに戻ろうとする私に手招きをして、隣に座るように促した
「何、どうしたの??」
珍しく春樹が真剣な顔付きで私を見つめてくるものだから、私の顔も少し引き締まる