年下の不良くん
「…ごめん…
でも、気持ちに嘘はないから…」
「うん…」
言われずとも、春樹が嘘などを付くような人ではないと知っている
「りりか、素直に答えて
…君は、これからどうしたい??」
もう一度言われたこの質問の答えは、もう既にずっと前から決まっている
だけど、それを言ってしまえば今の生活は壊れ、この先に起こる新しい出来事になるのだが、それの予想がつかないくて…怖い…
「…りりか、君の気持ちだけを聞きたいんだ
他の事は一切、気にせずに…」
彼の本当に真っ直ぐな言葉に、私がどれ程救われただろう
「…春樹…」
私を彼を裏切ってまでして、前の生活に戻ってもいいのだろうか…
前から決まっていた気持ちだが、目の前の優しい男性に揺らぎが生じる
一人で悶々と葛藤をしていると、春樹がひとりでに話し出した
「ねぇ、りりか
俺はこの数ヵ月とても楽しかった
家に帰ればりりかと手料理が待っていて、嫌いな食事も面倒でもなくなった
できれば、今の生活を崩したくはない
だけどりりかは、これからも先、俺と一緒にはいられない
違わない??」
ずばりと言い当てられた私の気持ちを、きっと春樹は前から知っていた