年下の不良くん
けれど、“ごめんなさい”と謝ってしまえば、春樹の告白の返事を謝ったようなもので、余計傷つけてしまうと思った
だから私は、感謝の言葉を述べたのである
溢れだす涙の中、私は自室で家を出る準備を始める
あんなにも優しい人を、傷けてしまったという罪悪感は私に酷くのしかかり、“自分のせいで”と自らを責めたてた
「……ごめんなさいっ…」
溢れだす謝罪の言葉は、本人には届くはずもなく、伝えるべき相手がいない言葉は、部屋に響くだけで役にも立たずに消えていった
作業は思ったよりも時間がかかり、終えたのは日が変わる前であった
必需品と貴重品だけを詰めた鞄を玄関に置き、キッチンにまだ作ろうとしていた夕飯があることに気づく
このまま眠れそうにないので、私はそれを作り冷蔵庫にしまい、リビングのテーブルにご飯があることを綴ると、もう深夜であった
仮眠だけでも取らないとと思い、私は二階に上がり自室で休んだ
明日が来るのが待ち遠しいような、そうでないような気分であった