年下の不良くん
「えっ??
これがあの噂の彼女??
こんな地味なのが??
ふはっ、翔って意外と笑いのセンスあるじゃん!!」
そう言って一人で大爆笑する彼女に、
「──あぁ??
お前、ケンカ売ってんの」
清水くんがドスの利いた声で冷たく言い放った
一気に静まり返る空間に私はヤバいと思い、必死に止めに入る
「ちょ、清水くんっ
そんな怒らなくても…!!」
「あ??、あぁ
…次、んなこと言ってみろ
ただじゃおかねぇから」
そう言うと、固まっている彼女を置いて歩き出し、私達は駆け足でその後を追った
彼が怒るところを見て、ただ驚き、そして、純粋に怖いと思った
普段から彼は、無表情で無口だが根は優しい良い人
だからこそ、彼の“不良”という一面を、初めて見てそう思ってしまった