年下の不良くん
だが、見ただけで歩みを止める訳でもなく、俺はすたすたと横を過ぎると、車は俺の歩幅に合わせて徐行運転を始めて、車の後部座席の窓が開た
ぎょっとして視線をやると、その車も停車し後部座席に座っている人物が俺を見つめてくる
「お前が清水翔か」
名前も知らない赤の他人に、自分の名前を呼ばれて俺は気分が悪くなり、相手を凄み自然と睨んでいた
「あ??何で俺の名前知ってんだよ」
「口を慎んで下さいませ」
運転手が降りてくると俺の口の聞き方の悪さにいちゃもんをつけてくるが、何も説明もなしに自分の名前を赤の他人に呼ばれるのだから、仕方がないではないか
「私はりりかの実の父親だ」
「はっ…??」
この態度の悪いおっさんが、彼女の父親とは思いにくいのだが…
「小僧、話がある着いてこい」
と言われても信用度の薄い話に、そう易々と着いていくわけがない
「嘘つくな、おっさん
りりかの父親たなんて、口なら何とでも言えんだろ」
視線を反らすと訳のわからないおっさんを無視して、止めていた足を動かした