年下の不良くん
「アイツ、歩くの早すぎだろ
俺、もぅギブアップ…」
そう言ったのが合図かのように、みんなが追いかけるのをやめた
「…あのね、優美」
「うん??」
「…さっきの清水くん、怖かった
私の知ってる清水くんじゃなかった…」
「私も、びっくりしちゃった」
「俺はまぁ…慣れてる…
けどアイツ、根は優しい奴だからさ、人を貶す奴とか嫌いなの
まぁ、あんな言い方だけどな」
苦笑いする武蔵くんに遠回りから、嫌いにならないでやって、と言われたみたいだった
「うん、わかってる…」
そう微笑んで、私達は武蔵くんと別れた
それから、いつものように時間は流れて、お昼休みに入った
優美と一緒にお昼を食べようとしていると、武蔵くんがやってきた
一年生が二年の教室に入ってきたので、教室内は少しざわつく
「優美♪
一緒に昼食べようぜ♪」
「えぇ~」
「りりかちゃんも、翔が一緒に食べたいっつてるよ♪」
「清水くんが??」
予想外の事を聞かされて、私は驚きを隠せない
「だから、屋上レッツゴー♪」
強引に二人の手首を掴んだかと思うと、そのまま有無を言わせず屋上に連れて行かれた
武蔵くんって、意外に強引なんだ…
屋上には、清水くんが既にお昼を口にしていた
「はっ??何で??」
目をぱちくりとする、清水くん