年下の不良くん
「えっ!?
あ、ごめんなさい…」
現実に引き戻してくれた武蔵くんと優美の表情は、相変わらずいやらしい笑みを止めてれず、私が謝まるとますます笑みを深める
「おい、その顔やめろ
なんかうぜぇし」
「…優美もやめてよー」
完璧に遊ばれてしまっているが、当の本人達も自分達の世界に入り込んでしまっていることが多い
「まぁまぁ、んな怒んなって〜
やっぱ、翔にはりりかちゃんじゃねぇとな!!
俺らはさ、やっぱ二人が元に戻ってくれて嬉しい訳よ」
「そうだよ
清水くん、りりか」
ニコニコと嬉しそうに笑う二人からの、涙腺が緩むような優しい言葉に私はジーンときてしまう
チラリと横の翔くんを見ると、彼も少しだけ口が弧を描いていて、私と目が合うと顔を隠すように繋いでいる反対の手で口元を覆った
そんな翔くんを見て余計に想いが募る
「まっ、そゆわけだから帰ろーぜ!!」
いつものように四人で、少し迷惑だけれど横に並んで歩いて帰るこの日がまた、私に訪れるだなんて数日前の私には考えられなかったことだろう
今は何もかもが嬉しくって、ひとつひとつが心に深く染み渡る