年下の不良くん
第五十一章
「──うー、ん……」
ゴロンと寝返りを打とうとすると、何かに腰を固定されて身動きが出来ない
少し頭を上げると大好きな翔くんが、すーすーとリズミカルな寝息をたてて熟睡していているのだが…その割には腰をがっちりと掴んでいるなと思う
だけど、朝目覚めると愛しい人が隣で寝ているということが、こんなにも心を暖かくしてくれる
そう感じると愛しくなって、彼のふわふわの黒髪を撫でていると、翔くんの目がぱっちりと開いてびっくり
「起きてたの??」
「うん、りりかが起きる少し前に」
だから、腰をがっちりとホールド出来ていたのか
「ふふっ、どうして狸寝入りしてたの??」
「…もうちょいこうしてたかったから」
翔くんはぐっと腕に力をより強め体を密着させた為、あまりの彼の行為に私は自分の顔が熱くなるがわかる
「ちょ…!!
翔くん離してっ」
「無理」
そう言ってニヤリと含み笑いをして、私が顔を赤くして焦っているのを楽しんでいる