年下の不良くん
第五十六章
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特に何ら変わった出来事もなく、数ヶ月が経ち、夏休みに入った
無事に大学の入学式を終えて、まだ慣れない大学生活だが、楽しく過ごしている
今日は翔くんのお家で、武蔵くんと優美も呼んで夏休みの課題勉強会を取り行う
私の地元だった駅前まで橋本さんに送ってもらうと、既に翔くんは駅前のベンチに座って待ってくれていた
「ごめん翔くん、お待たせっ!!」
走ったせいで少し息が上がってしまったのを、深呼吸をして整える
「んな待っえねぇから、走んなくてもよかったのに」
「ふふっ、少しでも早く会いたかったの」
毎日翔くんとは電話をしたり、メールしたりして連絡は取り合っているのだが、こうして会うのは二週間ぶりで今日を楽しみにしていたのである
「……おら行くぞ」
顔が見えないように私の手を取って歩き出す翔くんだけど、耳が真っ赤っかで照れているのが丸分かり
「ふふっ、やっぱ翔くんって可愛いよね」
「男に可愛いとか言うな」
口では嫌だと言ってはいるが、見上げて顔を見れば目は笑っていた
「宿題はまだ結構あるの??」
「俺はんなにねぇけど、武蔵が何もまだ手ぇつけてねぇからやべぇな」
私と付き合い出してから、翔くんの成績は右肩上がりだ
基本私は、テスト前になると対策を始める為、翔くんもその影響を受けて、私と一緒に勉強をするようになったからである
「優美が聞くとすっごい怒りそうだね…」
「あぁ、それは目に見えてんな」