年下の不良くん
翔くん家の玄関先にはもう、優美と武蔵くんが居て、私達を見つけると優美が抱き着いてきた
「りりかっ、久しぶり」
「久しぶりって言っても、一昨日会ったけどね」
一昨日の昼から、優美と結花とで都心の駅前で遊んだのだ
優美と結花そして私の大学は都心にある為、割りとすぐに会える距離に位置している
その為、大学に行くとなかなか会う機会が無いだろうと思っていたのだが、それは私の思い過ぎであった
「あはっ、まぁそうだね」
確かに何年も毎日一緒にいたので、一昨日会っただけでは、寂しく感じてしまうのは当たり前だが…
翔くんのお家に入ると誰もいないようで、しんと静まりかえっていた
「晃さん達は今日は仕事??」
せっせと、翔くんと一緒にお茶やお菓子の準備をする
「そう、仕事
お袋はただどっか遊びに行ってる」
「そうなんだ
みんな忙しいんだね」
「かもな」
久しぶりに感じる翔くんという温もりに、私の心はほっと癒される
この何気ない会話でさえも、嬉しくって仕方がない