年下の不良くん
「先にベッド行ってて??」
「ん」
自分の髪の毛を乾かしたりりかは、ドライヤーを片付けて家のことをしてからベッドに入ってきた
「もっとこっち来い」
さっきの事があった為か少し警戒しているらしく、二人の間にいつもより距離が出来ている
それが気に食わなくて、俺は返事を聞く前に自分の方に抱き寄せた
「……もう何もしないでね」
「わあってる
りりかが嫌な事はもうしない…」
断言出来るかどうかとは、また別だが…
「今日はありがとう
みんなで夕飯出来て楽しかったね」
「そうだな」
「また行こうね
あ、けどっ、無理とかしないでね??」
「してねぇよ
んな心配すんな」
「そう??
何かあったら言ってね??」
こうやって何度も俺の心配をしてくれるりりかが、何よりも愛おしく感じる
「お父さんと今日話してたね」
「最近ちょくちょく話すようになった」
りりかは俺がおっさんの事が苦手なのを、俺の態度から気づいているらしい
「何話してたのー??」
「如何におとーさんがりりかを溺愛してるかって話してた」
ま、ほとんどが嘘だけど、多少は合ってはいると思う
「わ、それ恥ずかしい
聞かなきゃ良かった」
「何だよそれ
…じゃ寝るか」
「うん、おやすみ」
そう言って、ごそごそとりりかは俺に寄ってきて、藍色の瞳を閉じた
そのしぐさまでもが俺をくすぐらせて、また可愛いと感じてしまう
最初はりりかの可愛い寝顔を見ていたのだが、俺もいつの間にか眠っていた
───終───