年下の不良くん
「まあまあ」
「嘘付け、武蔵から聞いてんぞ
なかなか楽しんでる奴が」
「…うっせぇ」
「でもまぁ、お前が大学行くとは思わなかったよ
てっきり就職するかと思ってた」
「…そのつもりだったけど、やりたい事が見つかったんだよ」
「まぁ、成績は割りと良かった方だから問題は無かったが、意外だったって話だよ」
「俺はやればできる子だからな」
「自分で言うなよ」
翔くんのジョークのお陰で、渡り廊下には三人の笑い声で包まれた
「田口や武蔵とかはまだ会ってんのか??」
「うん、この間も遊んだよ」
「それなら良かった
にしても、武蔵はアイツ暇なのか??
やたらとここに顔出しに来るぞ??」
「あぁ、アイツは暇人だからな」
「けど、実家の大工の修業中だろ??
普通はあんなに来ねぇだろ…」
先生が引くほど武蔵くんはここに来てるんだね、武蔵くん…
優美はこの事知ってるのかなぁ…??
「おい清水、武蔵に伝えとけ
“俺はお前ほど暇じゃないから来るな"って」
「ん、おけ」
武蔵くんがのこの扱われ様に、少しだけ同情してしまった…