年下の不良くん


先生と長い間会っていなかった分話す事がたくさんありすぎて、結構の時間立ち話をしていたのだが、先生の職員会議の為に泣く泣く別れることになった


「じゃあな、仲良くやれよ
また暇な時にでも顔を見せに来い」


それだけ告げると、先生は駆け足で職員室に向かった


「先生、何も変わってなかったね」


「そうだな」


少しだけぐるりと校内を見て回ってから、私達は懐かしい母校を後にする


「この後どうするの??
あ、せっかくだから晃さんのお店に寄って行く??」


「あーいや…ちょっと行きてぇとこある…」


人差し指で鼻をかいた翔くんは、何だかいつもと違い緊張している風にみえた



どこに行くのだろうかと疑問に思いつつ、静かに隣を歩いていると、見慣れた風景が辺りに広がってくる


「わぁ、懐かしい」


広がる風景は前住んでいた家からの通学路で、あの頃の独りで寂しかった時期を思い出して少しだけ胸が一杯になった


もしあの時の自分に会えることが出来るのなら、私は“その頑張りが必ず報われる時がくる"と教えてあげたい


「なぁ、りりか」


「んー、何ー??」


懐かしい通学路の景色から、少しだけいつもと違うふうに感じる翔くんに視線を変える


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