年下の不良くん


「あの公園で俺達、出会ったよな」


そう言って翔くんが指を差した方向には、私の家があったマンションの前にある公園


「そうだね
初めて会ったのは保健室だけど、でもあれがきっかけで仲良くなったよね」


ザザぶりの雨の中、この公園で倒れてた翔くんを、自慢の怪力で家まで運んだんだっけ


「俺あんまあの時の記憶ないんだよな
しんどかったくらいしか覚えてねぇ」


「そりゃあそうだよ
高熱だったんだから
怪我も酷かったよね」


「んー、確かにな…
けどいちおうボロボロだっけど、勝ったことは勝った」


「もうホント痛そうだったよあれ…
どうして喧嘩なんてしたの??」


あの時、原因は何だったのか聞いたら、断られてそのままだったのだ


「あー…あれは、喧嘩を売られたっつーか…なんつーか…それを買ったっつーか…」


「こらっ、やんちゃしすぎ〜
もう駄目だからねー」


彼は、どれほど私が心配するか知ってるだろうか

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