年下の不良くん
「もうしねぇよ」
「ホントに??約束だよ??」
大学に入ったから昔のように、大怪我をして帰ってくることは無くなったが、武蔵くんの話によると、翔くんを恨んでいる人は多いらしい
その内容は人それぞれで、喧嘩での恨みや恋愛での恨みなど、人によって原因様々であり、余計に心配してしまう
「マジでもうしない
……つーかお前が嫌がる事は極力しない」
「え??
いや別にそこまでしなくても…」
「俺がしたくない
その…りりかに嫌われたくねぇから…」
私の言葉を遮ってまで発した翔くんの言葉は、深く私の心に届いたのだが…
突然の、たまにしか素直な気持ちを言わない翔くんの素直な発言のせいで、自分でもわかるくらい顔が真っ赤だ
こうして稀に、素直な気持ちを真っ直ぐに伝えてくれるからこそ、私は未だに翔くんにときめき、彼とここまで長く一緒にいられるのだろうと思う
だけどそれは、“彼氏だから"とかじゃなくて、人と関わり合う上で、何よりも大切な事だと父との事を通して私はそれを学習した
でも…面と向かって告白紛いの事をされてしまうと、流石に恥ずかしいっていうか、照れるっていうか…