年下の不良くん

「なぁ、りりか」


「なに??」


真っ赤な頬を気付かれないように手で押さえて、背の高い翔くんを見上げると真剣な表情でこちらを見ていた


「俺が大学出て就職したらさ、その…なんつーか…あのなっ…」


もごもごと口を動かし目を泳がせて、挙動不信になり始める


「どうしたの??
どこか痛いの??」


「え??いや違くて…あのなっ、りりか!!」


がしっと肩を掴まれて、そしてまた真っ直ぐに目を見つめてきた




「──俺と結婚してくれ!!」





──結婚…??




「や、別に今すぐにって訳じゃねぇけど…
まだ数年はかかるけど……それでもいいなら…」



「───翔くんの馬鹿!!」


「え、は??馬鹿…??」


「そんな事気にしなくてもいいよ!!
…ううん、気にしないで
何年でも何十年でも、私は待つから」


「…じゃあ…」



予期せぬプロポーズに最初は驚いたけれど、答えはもうずっと前から決まっている



「──こんな私で良かったら、宜しくお願いします」



嬉しさのあまり浮かぶ笑顔と共に、ぎゅっと大きな彼の首に抱きついた


「……“こんな私"とか言うな
俺はお前だから結婚したいんだ」


翔くんが私の背中に回した手は、いつもより強めで、もうそれだけで気持ちが伝わってくるように感じた


「うん、ありがとう
大好きだよ」



ちゃんと翔くんの顔が見たくなって、私は首に回していた手を緩めた


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