年下の不良くん
第九章
教室に着くと、もう授業が始まっていた
「岡本が遅刻とか、珍しいな
風邪がぶり返ししたのか??」
普段遅刻なんかしない私が、珍しく遅刻して来たものなので、みんなからの視線を浴びる
なんだか、恥ずかしい…
「すいません…
大丈夫です」
心配してくれた先生にそれだけ告げて、私は授業を受けた
休み時間に入り、優美が心配した表情で駆け寄ってきた
「りりか…!!
大丈夫だった!?
朝、武蔵から連れて行かれたって聞いて…!!」
私の体を上から下へと無事かどうか確認する
「大袈裟だよ、大丈夫
武蔵くんのおかげで、清水くんが助けに来てくれたの
私は何ともないよ
心配かけてごめんね」
「よ、良かった~…
たまには役に立ったね、アイツ」
「ふふっ、それ聞いたら武蔵くん怒っちゃうって」
数日前にも連れて行かれてた、なんてもう終わった事は、誰にも言わない
余計な心配をかけるだけ
「ははっ、多分ね」
クスクスと二人で笑い会う
「りりか、またこんな事あったら言ってね
いくらでも、心配させてね」
「ありがとう、必ず言うね
…だけど、もうこんな事は多分ないよ
だってね──」
さっき会った出来事を、大まかに説明すると優美は大きな声を出して驚いた