年下の不良くん
まず、武蔵くんが優美を好きだなんて、ずっと冗談だと思ってた
なぜなら、これだけいつもおちゃらけていたら、本気と冗談の区別がし難いからだ
「なんか俺の事、言ってない??
かっこいいーとか、気になってるとか」
「と、特に聞いて、あ…」
そう言えばこの間、幼なじみは恋愛対象にはならない、って言ってたな
けど、これをそのまま言うのは、可哀想だし…
「何!?何か言ってた!?」
私の呟きを聞き逃してなかったらしい武蔵くんが、身を乗り出して聞いてくる
「いや、別に何も…」
「気ぃ使わないでいいから!!
お願い言ってください!!」
手を合わせて頭を下げる、武蔵くん
「お前、あんまりりか困らせんな」
「でも、こんなに何年も好きでさ、やっと優美の好みの男になって自信付いたのに、このままって…」
普段、おちゃらけて何を言われてもニコニコ笑ってる彼が、本心はこんなに落ち込んでたなんて