年下の不良くん
第十二章
次の日の放課後、私はバイトだったのでいつものように送ってもらい、彼はその足で美容院へ行った
バイトが終わりお店を優美と出ると、田口くんが自転車に跨がっていた
「コンビニ寄ったついでに迎えにきてやったぞ」
「なにその上から」
と笑う優美に、私もクスクスと笑う
「今日、部活無かったの??」
その私の質問に目を輝かし
「そう♪
顧問が出張でなくなった♪」
相当それが嬉しいようで、ニコニコと答えた
サッカー強豪校の休みは少なく、夏休みはお盆の時に休み、冬休みは年末年始だけらしい
なんとも、社会人よりよく部活があるのだなと感心する
「顧問に感謝だね」
ニコニコと私も笑う
「さ、帰ろう」
優美の一言で、みんなで他愛のない会話をしながら家路を歩く
なんだか、中学生の時を思い出す
中学三年の夏になると、受験生の三年生は部活を引退
だから、よく三人でこんな風に帰っていた
高校生になったが、私達は何も変わっていない
あの頃のままなのが、余計に私を懐かしくさせた