年下の不良くん
「うん、邪魔だったから」
「ちげーだろ、お前!!
りりかちゃんが髪──むごっもご…!!」
話かけていた武蔵くんの口を、翔くんが手で押さえて遮った
「こら、武蔵!!
おちょくったりしたらダメでしょ」
パンと優美まで武蔵くんの頭を叩く
さっぱり意味がわからない、私
「私が何??」
そう聞くと、みんながあたふたし出して、
「俺ら帰るわ」
「じゃね、りりかちゃん!!」
と、そそくさと帰って行ってしまった
「何だったの…??」
小さくなっていく二人の背中を見つめる
「清水くんが髪の毛黒にしたり短髪にしたりしてるのは、りりかの好みにしてるんだって」
「えっ!?
そうなの!?
でも私、好みとか、そういうの特に無いけど…??」
確かに好きな芸能人などは、黒髪の人が多いが…
「あー…それがほら、この間私が冗談で言ったのが原因らしいのよ…」
“この間の冗談”…??