年下の不良くん
「さっきからコイツ、こんな事ばっか言ってんの
うっせぇよ、マジで」
そんな事言いながら、田口くん顔が笑ってるよ??
なんだかんだ言いながら、ここの双子は羨ましいくらい仲がいい
「あ、じゃあ、私達行くね
寒いから早く買って帰るよ」
「そうだね、気をつけて」
「じゃあな」
「うん、二人ともバイバイ」
「清水くん、邪魔してごめんね」
「いや、別に大丈夫です」
それだけ告げると双子は仲良く喋りながら、反対方向に歩き出した
私も翔くんの後ろに乗り家路につく
自転車の走る音だけが夜の辺りに鳴り響く
「寒いね」
顔に冷風が当たる度に、私は肩を震わせてしまう
「ん」
あれ??
なんだか声が、不機嫌な気がする…??
「……どうかした??」
「…別に」
そう言ってる割には、さっきよりトーンが低めなんだけどな
「…そう
……あ、帰ったら温かい飲み物飲もう??
さっき買っといたの」
あまり詮索はしないでおこう
マンションに着き、駐輪場に自転車を置いて、家に入った
家に入るなりエアコンを付けて、一刻も早く部屋が暖かくなるようにする
ソファーに座った彼に、はい、とさっき買ったカフェオレを渡すと
「さっきの男、誰」
私に話しかけているのにいっさいこちらを見ない
さっきの男…??
「あ、田口くんの事??
あの人──わぁ…!!」
いきなりそちらに引っ張られ、抱きしめられるもんだから、私は大きくバランスを崩してしまい倒れ込むような形になった