年下の不良くん
「──俺以外の野郎の名前出すな
イライラする」
ギュッと抱きしめる力を増す
「…もしかして、ヤキモチ妬いてくれてるの」
「……だったらなんだよ…」
「ふふっ、大丈夫だよ??
田口くんは、優美の双子のお兄ちゃんだから仲がいいだけ
それ以外に何もないよ」
翔くんの黒髪を優しく撫でた
「……ホントに…??」
「ホントだよ」
ヤキモチを焼いてもらえるほど、私は大切にされている事を実感する
「…そか…つーか俺、ヨユーねぇな
マジ、焦ったし」
身体を放したと思うと、クシャクシャと苦笑いをしながら後頭部をかいた
「かっこ悪くてごめんな」
謝られるとは思ってもみなかったから、少し驚いた
「そっ、そんな事ない…!!
私こそ説明遅くなってごめんね…??」
「うん
あー、安心したら腹減ったな」
「そうだね
すぐに夕飯作るね」
ソファーからリビングに向かい、遅くなる晩御飯を作り出す
バイトの時は、何か前もって作っておかないとな
ソファーでお腹をすかせて唸っている翔くんを見て反省
それと同時に、それがあまりにも可笑しくって、私は笑いが止まらなかった