年下の不良くん
数十分後、泣きはらした顔の杏と困り果てている麻衣がリビングに座っていた
私は二人に暖かいカフェオレを用意した
「はい、どうぞ」
「…ずびっ、ありがと…」
「悪いな」
受け取ったのを確認して、私はお湯で濡らしたタオルを杏に手渡す
「これで目を暖めといた方がいいよ??
痛いくらいすごい腫れてる」
「ごめん、ありがと…」
ここまで腫れるまで泣いたのにも関わらず、まだ半泣き状態だ
いったい何をそんなに彼女を苦しめているのだろうか
「杏、いったいどうしたの??」
「…彼氏に、浮気されて、ずびっ、フられたぁのぉ~…!!」
「えぇ!?
彼氏ってあの、大学生の!?」
あの事件以来、杏は偶々知り合った大学生の男性と付き合っていた
杏から、その男性の惚気話を耳が腐るんじゃないか、と思うくらい聞かされた
それくらい仲の良い感じだったのに、別れた、なんて信じられない
「杏、何か誤解があるんじゃないの??
ちゃんと確かめたの??」
私は泣きじゃくる彼女の背中をさする