年下の不良くん

「それが、怖くてまだ確かめてないんだって
それに“フられた”んじゃねぇだろ、杏が訳も聞かずに“フった”んだろ」

そう言って呆れ顔の麻衣が、杏にバカ野郎と呟いた

「え、そうなの??」

「そ、んで、浮気も、ただ街でぶらぶらしてたら彼氏が女といるの偶々見かけて、コイツが勝手にそう言ってるだけ」

「あ、そうなんだ
じゃあ、それなら早く誤解を解かなきゃ」

「って、あたしも何回も言ってんのに、杏が泣きじゃくって“嫌”の一点張り
だから、りーかに求めて来たわけ」

なるほど、いわゆるお手上げ状態なのか…

そんな杏を、私の言葉で説得なんて出来るの…??

半信半疑のまま、杏に問いかける

「杏はさ、彼氏と寄り戻したい??」

「ひっく、っ…うんっ…」

「じゃあ、話は簡単だよ
彼氏にちゃんと連絡とろうよ
そんで確かめよう??
それで向こうが浮気ってわかったら、ボロクソ言ってフったらいいじゃん」

「……嫌っ…!!
声も聞きたくない…!!」

「何もしないで後悔と憎しみだけ残して、終わらせちゃうの??
逃げるのは簡単だけれど、それじゃあ何も進まないよ??」

私は杏の彼氏と会ったことは無いけれど、話を聞く感じだととても浮気をしたりする人ではないと思う

それくらい相手は杏の事、大切にしてくれてるんだと思うよ

けど、少し、言い過ぎたかな…
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